ひと通り自己紹介が終わった。
「さて…神楽梓さん、貴女が今ここに居るのは私達学園にとって危険分子となりうるのかを判断するためです」
…なるほど、そういう事か。表向きは学園だろうが、正しくは『Sapphire』のため、ひいてはこの町を守るため、と言ったところだな。私の推測ではここにいる奴らは生徒会兼主要幹部だが、ほぼ当たりで間違いない。
「…で?私をどうしたい」
ソファーに座っているヤツらを、目を細めながら見据える。
「あぁ、そう警戒しないでください。質問に答えて頂くだけですから」
「…それは無理な話だな。少なくとも視線に負の感情を込めている奴もいる。私にはもっとも不愉快なものだから」
何故か負の感情の類を向けられるのは、記憶になくても体が覚えているから、すぐ分かるのだ。…ホント胸糞悪いな。