「…安心しなよ、君達には危害を加える気は一切ないから」
だから、私は鳳と同じ言葉を返した。まぁ結果無表情のまま言ったため、余計に警戒されたんだけど。
そして、残るはひとり。恐らくは一番地位の高い人間しか座ることの出来ない立派なチェアにその男が頬杖をついて座っている。
「成瀬凌雅だ。一応トップで学年はお前の1つ上の2年だ、よろしく」
その男は金髪を持っており、オールバックにしているためにクリアに見えるその目は、真っ直ぐにこちらを見据えている。この部屋にふたりしかいないような不思議な感覚に陥りそうになった。
それほどまでにこの男は圧倒的なオーラを放っているという事だ。まさに、『獅子』と呼ぶに相応しい。