私を置いたまま話を始める男達。誰なのかも分からない私は、ただそれをぼーっと眺めることしか出来ない。もう帰ってしまおうか…と考えながらソファーから起き上がると、紅一点である柔らかそうな茶髪の女の子と目が合った。彼女はこちらに近づいてくると、

「あっ、アズサちゃんよく眠れた?」

と、綺麗に微笑みながら言った。


「まぁ…眠れたけど、なんで私こんな所にいる訳?まずここ何処」

「あ〜、それはこれから説明するよ…だよね?みんな」


いつの間にか話を終えていた男達はこちらに視線を送っていた。その視線には、警戒、詮索、好奇等がそれぞれ含まれていて、私にはかなり不愉快だった。…そして、かなり面倒だ。


「悪いが私は赤の他人の君達に何の用もないんだ。帰らせてもらうよ」