喧嘩に関しては強すぎる程の彼女ならサラッと片付けて仕舞うはずなのだが、鉄パイプやナイフ常備の奴等が50人となれば話は別だろう。


嫌な予感が頭をよぎる。早く彼女の元へ向かうべく、らしくもなく走り出した。



走りながらどう相手を捩じ伏せるか算段を立てる。その時、


「ユキヤ〜、バイクの後ろ乗せたるから乗りや〜」


いつもの飄々とした様子のトウマがバイクで現れた。


「…俺だけで充分ですが。なぜ貴方が来たんです」

「リーダー直々の命令でな〜。ほら早う乗れ。ご執心の黒猫ちゃん助けたいんやろ〜?」


…全く、こうなるとホンマに周り見えてへんな〜ユキヤは。真面目くさった顔しとるのに〜。


そうからかうような口調で言われ、少々頭にきたが何とか押さえた。


こうして俺たちは彼女の元へ向かったのだった。