「…はい、何かありましたか?」


電話が繋がった瞬間向こうから聞こえてきたのは、何かとなにかがぶつかる音と怒声。…そして、



「いっ、やだ…いやだ!離して!梓ちゃんが!」


喉が枯れることも厭わずに悲痛な叫び声を上げる桜さんの様子。騒然とした様子に自分でも表情が険しくなるのが分かった。


「すみません!俺らが駆けつけた時には…。神楽さんが今ショッピングモール近くの裏路地で神楽さんが50人くらいの『Ruby』の奴らと闘ってます!」


護衛の切羽詰まった声から、状況は芳しくないことは分かった。


「お、俺らが神楽さん達を見失わなければ…すみま______」
「反省は後にしなさい。状況は大体分かったので俺らが向かいます。貴方は護衛の仕事を最後まで全うしなさい」


「…はい!」


護衛の強い返事を最後に電話を切る。