護衛達がサクラをここから遠ざけようとしているのを尻目に、私は男達を次々と確実に倒していく。全員が鉄パイプ持ってんのが面倒臭いな…。ただ、あいにくここは細めの路地裏。鉄パイプは生かしにくい、それだけが私にとって救いだった。


私に振りかざされる鉄パイプを避けながら、ガラ空きの腹に蹴りを入れていく。人数が多い事を利用して、囲まれている状況を変えようと男達を踏み台にしながら向こう側に着地し向き直る。。が、しかし、


…ゴン!ガツン!


鉄パイプと何かがぶつかる音が私の後ろから響き、うめき声と共にコンクリート上に倒れる鈍い音が聞こえた。


「ふたりとも!しっかりし___いや!離して!」


サクラの悲鳴がこの路地裏にこだました。