「…サクラ、行かないのか?」

「あっ、ごめんごめん行こうか」


見とれている時間が少々長かったみたい。少し先を歩きはじめていたアズサちゃんを追いかけるように、私も歩き出した。


ショッピングモールに入ると、そこは天国でした。ほんとに涼しい…火照った体を冷やしてくれている。

「…サクラは成瀬に何をプレゼントするんだ?」

「あのね、お揃いのネックレスと、リョウくんバイク乗るからキーケースにしようと思ってるの」

「へぇー、良いんじゃない?成瀬喜ぶといいな」

「うん!」

少し微笑みながらそう言ってくれたアズサちゃんに嬉しくなった私は、ルンルン気分でお店に向かった。

結果、リョウくんに似合いそうな黒革のキーケースに、お揃いのシンプルなリングのネックレスを買うことが出来た。