「チョコを受け取ってどうしたの?」

陽ちゃんが目を輝かせて
質問してきた

そういえば
陽ちゃんはこの手の話が好きだった

「食べたよ」
智くんが答える

「そういうことじゃなくて!」
林くんがずっこけながら
智くんの肩を叩く

「付き合ってるよ」

…ん?

私は眉に力が入った

他のみんなも首を傾げる

『付きあってる』?

『る』?

現在進行形???

過去の話だよね…

「違うの?」

智くんが私の顔を見た

「いや…」
何と答えたらいいのか
わからない

「だって別れ話してない」

林くんが大きく息を吐くと
智くんの肩に手を置いた

「恋愛に自然消滅っていう別れ方があるの
知ってるか?」

「別れるときはきちんと話をしないと」

智くんはいたって真面目に答えた

「会話がなくなって
二人に接点がなくなった時点で
それは自然消滅だ!」

林くんが諭すように言った

智くんは
今日の今まで
私と付き合っているつもりで
いたの?

女子に人気があるのに
浮いた話がなかったのは

もしかして私のせい?