「ねぇ、セタは知っているかしら。この空の上には美しい庭園がある事を」


「ねぇ、セタ?私の話を聞いているの?」



セタ、それは名の無かった俺にその人がつけてくれた名前。

出会いはほんの一年前。
それは雨の中で

見知らぬ人に切られた俺は、死を悟った。
血は止まらないし体はどんどん寒くなる。

雨と出血で体温が奪われる。
体が軽く、浮く感覚に襲われる。

もう、死ぬんだな…そう思った時その人…アルと出会った。