「それなら大丈夫です」


「えっ…」


「私は保険医の免許も持っています」


「だから早く行きなさい!」


校長…


「すぐに…すぐに向かいます!」


鞄を強く握りしめて、朝通った道を
もう一度引きかえす。


校長に渡されたメモに書いてある住所を
見ながら運転していると、
とある横断歩道のそばに
パトカーが数台止まっていた。


ここで陽奈ちゃんが…


「っ…!」


見たくなかった。


横断歩道の側にあったフロントガラスに
ヒビが入って
前のライト付近が凹んだ車。


横断歩道の白線が少し赤く染まっていた。