"先生は、この腕を見てどう思いますか?"


「…」


その言葉は私の口から出なかった。


「あ、やっぱり何でもない…です」


「ん?そっか」


先生はいつもそうだ。
私が言葉に詰まっても、責めようともせず
ずっと静かに待ってくれる。


きっと…
私が何を聞きたいか想像付くんだろうな。


「あ…眠たくなってきたみたいだね。
目がトロンとしてる」


確かに、眠たくなってきた。