「瀬川…せんせ…」


何回も繰り返し電話をかけようと思ったけど
迷惑だと思ってやめた。


スマホを両手で握ってソファに座る。


そのとき…


ーーゴロゴロ


と雷が鳴った。


「キャッ!?」


慌てて耳を塞いで、目も瞑った。


私は小さい頃から雷だけはダメだった。


両親が出張に行く、家に居ないなんて
日常茶飯事だったから1人には慣れていた。


だけど、1人の時に雷が鳴った時だけ
両親が恋しくなった。