…あ……


保健室開いてる。


珍しいな、その一言が頭に浮かぶ。


瀬川先生が保健室にこんな早く来るのも
滅多にないし。


そんな事を考えながらドアを開けようと
手を掛けた瞬間


ドアのギギッという古い音と共に
先生と女の人の声がした。


「すいません…カッターで切ってしまって」


「いえいえ。少し滲みますよ」


先生かな…?


この声は生徒じゃなくて女性の先生の声だ。


「学級の資料作ってたらザクッと
切っちゃって」


「大変でしたね…」


「あ、ありがとうございます」