「瀬川先生」


「ん?」


「ごめんなさい…電話、切ります」


「え?ちょ、陽奈ちゃん!
待っ…」


待って!


その言葉を聞く前に私は無感情のまま
電話を切った。


やっぱり、先生の声を聞いたら安心する。
だけど、涙腺が緩んじゃう。


こんな身勝手な行動、失礼って分かってる。
贅沢すぎる選択だって分かってる。


ごめんなさい、先生。


「ハァ…何やってるんだろ。私。」


多分、先生と連絡なんてダメだろう。
ましてや、人気者の瀬川先生となんて。