その足音はやっぱりこの病室に
近づいていて。


ドアの前で止まった。


「…うそっ…まって…」


もし…看護師さんだったら…


























「…陽奈ちゃん…ごめん、やっぱり帰れない」


嘘だ…っ…嘘…
瀬川先生が来るはずなんてない。


そんなはずない………よね……


「陽奈ちゃん?」


そんな……


こっちに来たら…ダメだよ…


床にある花瓶の破片に水、それにお花…


真っ赤な包帯と、新しい傷を作って
泣いてる私。


それに…なによりも………
血がついた破片…