「…ごめん…」


「え…」


「ごめんね。
ずっと帰れって言われてたのにね…。
余計なことしてごめん陽奈ちゃん。」


「…」


「じゃあ、また学校でね。」


俺はそう言ってカバンを手に取り
ドアの取っ手に手をかける。


「ごめんなさい…
本当、迷惑かけてごめんなさい、」
「さよなら、先生」


病院にいる中で一番か細い声に
思わず足が止まった。


だけど、ここで止まっちゃいけない。
心を鬼にし、病室を出てドアを閉めた。