夏斗side
あの野郎はすぐ行くと言ってから何分たってんだ?
救命と血液内科はそんなに遠くないはずなんだけど…
ふと考えてると、一瞬嫌なことを想像した。
もしこれが本当なら…
夏「採血の準備あとお願いします!」
看「了解です!」
残りの採血の準備を看護師に任せて、
俺は嫌なことが当たらないように願いながら
秋斗を探しに病院に歩いた、
秋斗side
無理だ…これ1人で行けねぇよ。
タッタッタッタッタッタッ…
奥から誰かの歩く音がする…
すると、目の前でその足音が止まった、やべぇ、上司じゃないように…
こんな姿見せられないよ…
夏「秋斗?」
良かった…兄貴だ!、いや!良くはない!
けど…上司じゃなくて一安心
秋「夏にぃ…遅れてごめん…」
夏「やっぱしこんな事だろうと思った、貧血の発作だろ?」
コクッ
夏「目開けれるか?立てれる?」
ちょっと待って…それは難関だって…
答えを言わないで考えてると…
フワッ!
ビクッ!?
夏「答えない誰かさんは連行しないとこなさそうだから、世でいう抱っこをして連れてきいまーす!」
いやいやいや…兄貴、俺大人だし
つーか、電車の車掌さんみたいに言わなくっていいし…
まぁ、何も言えずに兄貴に体を預けてると、ベットに降ろされた感覚がした。
夏斗side
全く…手のかかる弟だな…
とか思っても、可愛いんだけどな( ̄▽ ̄)
夏「秋斗、着いたぞ。このまま診察と採血しちゃうな!」
コクッ
既に秋斗は肩で呼吸してるし、眉間にシワが寄ってるし…
それほどきついんだろうな…
全く…なんでもっと早く言わないかな…
夏「お前無理しすぎ。頑張るのも大事だけど、それ以上に体調管理出来てないと話にならないんだってば。」
秋「ご…めん…ハァハァ…」
夏「もう喋るな。ちょっと下瞼診るよ」
うわっ、こいつ真っ白。
よく生きてたな…って関心する
このまま採血もしちゃおう
夏「採血もするな!」
有無を言わないように淡々と準備を進めて、腕に駆血帯を巻く
アルコール綿で拭いて…
夏「チクってするからな!動くなよ!」
チクッ!
秋「兄貴…痛い…!早く…して!」
夏「はいはい笑あと3つ数えたらおわるから」
夏「いーーーーち」
夏「にーーーーい」
夏「さーーーーーーーーん。よし終わり!」
秋「痛いし長いし!」
夏「そのまま輸血するな!あと薬で鉄剤出しておくからちゃんと飲むように!」
秋「はぁーぃ」
夏斗side
あとこいつの額の傷…
なにしたら怪我するのかね?
夏「秋斗…お前この傷どうした?」
秋「あは〜、、、大丈夫だよ!痛くないし!」
夏「青葉みたいな事言ってんじゃねぇーよ、てか、質問に答えろ!」
秋斗side
フラついて手すりにぶつけたなんて怪我する内容が幼稚すぎて言えるわけないじゃんって…
夏「はーやーく!」
秋「………ぶつけました。」
夏「どこに?何をして?」
秋「大体想像着くでしょ?」
夏「あ〜、子供とチャラけてふざけてて転んだってか?」
秋「バカにすんな、そんなことしないし。ていうか、俺は救命医。重症患者扱うところで子供とチャラけてられないってば!」
夏「じゃあ、正直に正確に自分のお口からどーぞ!」
夏にぃ怖
こんな正確なんやっけ?
秋「………………フラついてバランス崩して手すりにぶつけました。子供とはチャラけていません。」
夏「よろしい、最初っから素直に言えっつーの。」
秋「……。」
夏にぃの言ってることもご最もな意見すぎて反論できない。
夏「とりあえず、消毒するか。血は止まってるみたいやし」
秋「ッ!いい!大丈夫!消毒!しなくて!いい!」
夏「何で一語一句に!着いてんの?」
秋「なんでもいいからしなくていい!」
夏「怖いんだ〜笑」
秋「違うし!」
夏「いいからちゃっちゃとやっちゃうよ。逃げてても時間の無駄。お前も早く寝たいだろ?」
秋「……。はい。」
夏「よし、ちょっと染みるよ!」
ッ!……痛い痛い痛い馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!
秋「ヴァー!!」
夏「動くな!馬鹿!」
消毒してガーゼ貼られてひとまず終了。
夏「お前今日明日とりあえず入院な。仕事が…とか言わせないから。仮に!抜け出して仕事でもしたら…?分かってるよな?
( ̄∀ ̄)」
秋「はい。ありがとうございました。夏斗先生。」
夏「お前に先生つけられるとキモイからやめろ」
とかなんとかで秋斗は2日間入院して無事退院し、仕事にも復帰しました。
春斗side
梅雨が明けて長くて暑い夏も終わりかけている
って時に、誰かさんはやってくれるんだよね…
そう、葉琉くん。
今日は練習試合でたまたま休みだった俺と秋斗と青葉の3人で応援に来てるわけですよね。
葉琉はスポーツ万能だから部活もまぁ、頑張ってるわけですよ、この炎天下の中で
ちなみに葉琉は野球部のエースで次期部長らしい。
まぁ、流石だよね
いや、そうじゃなくって
青葉と秋斗と俺らはそれぞれ応援してるわけですよ、
ただ、様子が変ってか…なんか時々目をつぶってるてか…
それは秋斗にも伝わった様で、、、
秋「葉琉、なんかおかしくね?(ボソッ)」
春「それ俺も思った。なんか時々目つぶってない?」
秋「あぁ、、。」
そう秋斗と話していると1試合目が終わり水分休憩が入った。
あきらかに様子のおかしい葉琉はタオルで自分の顔を覆っていて顔色とか見れないけど、呼吸が荒くて常に肩が上下に上がり下がりしてる様子だ。
水分も周りより全然摂れてないし…
それを見て青葉も不安になったのか涙目で俺たちに訴えてきた
青「葉琉…大丈夫?泣」
春「青葉が心配することないよ!葉琉なら大丈夫!」
すると安心したのか下にしゃがんでしまった青葉。
すぐに日陰のある場所に連れていき、水分を取らせた
そうこうしてる間に秋斗は先生にお願いして、野球部メンバーの休憩所に入れてもらったらしい。
葉琉のことは秋斗に任せて、俺はこの横にいる姫をなんとかしなきゃだな
秋斗連れてきててよかった〜、って素直に思った
秋斗side
あきらかに様子のおかしい葉琉を見てられなくて
顧問の先生だか知らないけど、グラウンドに入れてもらうよう事情を話してお願いした。
葉琉の元に駆け寄るけど、勿論葉琉はタオルで顔を覆ったままだから俺が近ずいていることを知らない。
秋「葉琉、大丈夫か?」
声で俺だとわかったのか
葉「…秋にぃ?…ハァハァ…」
秋「そう、秋斗。お前いつから具合悪い?」
試合中なことはわかってるけどあえて聞くのが医者のくせ。
秋「試合…中…、目眩止まらないし…頭痛い……」
今の葉琉くんの自己申告を聞いて納得したよね。
完全に熱中症だと。
とりあえず葉琉をこのまま試合に出して取り返しのつかないことになるとまずいから今日のところは顧問にお願いして、そのまま病院に直行かな?
秋「とりあえず、今のまま試合出てもぶっ倒れるだけなの目に見えてるから、お前は帰るぞ。」
コクッ
よっぽどきついのか大人しく受け入れたから、俺は顧問にそのまま病院に行くことを話して、早退させてもらった。
春斗side
とりあえず、青葉と葉琉を車に乗せて病院まで向かってるんだけど…葉琉の様子がどうもおかしいんだよね、、、。
呼吸が荒いのはもともとなんたけど…
微熱と脱力感、意識障害…
さっきからこの3つがすごく気になる。
もしこれが当てはまってたら熱中症の他に脱水症状も引き起こしてることになる…
処置室を抑えてもらってはいるんだけど…
早くしないとほんとにやばい、、、
とりあえず、今車の中だから野球部のユニホームは緩ませることできないから上は脱がせるしかないか…
春「秋斗、葉琉のユニホーム脱がしてくれないか?俺が車かっ飛ばすから!」
秋「了解!俺そのまま後部座席で葉琉の様子見るわ!青葉は助手席でいいよな?」
春「おう!水分採らせたらだいぶ良くなったから!」
そのまま俺らは病院に急いだ。
葉琉side
やばい
気持ち悪
てか、目眩止まらん…
ずーっとぐるぐるしてるんだょぉ……
それから体の力が入らない…
あと…ハァハァ…ハァハァ…
無理…きっつい…
秋「葉琉、ごめん服脱がすな?」
コクッ
葉「ハァハァ…ハァハァ…」
秋「頑張れ!意識保ってろよ!」
意識保ってろよ!って言われても…
そんなのわかんねぇよ…
ひとまず言えることは「きつい」
この言葉に限る…。
プチン………
頑張ったけど無理だった。
むしろここまで意識保ったのを褒めて欲しい……。
葉琉side
ピ…ピ…ピ…ピ…ピ……………
なんだろう、この感覚…
すごい久しぶり
……
兄貴たちにも青葉にも迷惑かけたな…
とりあえずナースコール押してみよう、
ピー
秋「葉琉?目覚めた?今行くから待ってろ。」
………
ガラガラ
春にぃと秋にぃが来た
葉「二人で来たんだ…」
春「あぁ、、夏斗と冬斗は家で青葉といるよ。」
秋「もう大丈夫か?気持ち悪くないか?」
葉「うん。心配掛けてごめん。ありがとう」
春「あぁ、次からは自分にもちゃんと気を配れよ!周りのことだけじゃなくって。」
葉「うん。」
秋「明日なんともなかったら明後日退院だから、くれぐれも安静にな!」
葉「…………ほーい………」
秋「んじゃ、なんかあったらまた呼べよ!」
コクッ
ガラガラ
冬斗side
子供って病院嫌いだよなぁ…
青葉もその1人と含めて…
まぁ?病院好きな人居たらこっちもビビるから
そこはまぁまぁだけどww
ただ治療拒否で脱走だけは困る。
ほんとにお手上げ
でも見捨ててほっとく訳には行かないし、
それを治すのが医者の役目。
ということは、必然的に追いかけて捕まえなきゃ行けない!
さぁ、今日も
何人が逃げるかな?…