「美恋ちゃん、?
ってビッチなの?」
そう、どストレートに質問してきたこの子こそ
相川瑠璃だったのだ。
大して話したこともなかったのに
何もオブラートに包まない瑠璃に
呆気を取られていると
「あ、言いたくないならいいんだけど
廊下の奴らうるさいなーって思うからさ。
まぁどっちでもいいんだけど
ちょっと行ってき〜」
そう言って瑠璃は
たかが1mの距離の扉をガシャンッと勢いよく閉めた。
1番前の席の瑠璃、その後ろの私は
教室の入口に最も近く
廊下の話し声もまぁ聞こえる訳で
わざとされている噂話は紛れもなく私のビッチ節で
瑠璃の不気味な笑みにびびった女子達は
帰ったのだけど
「なんか、・・・ ありがとう相川さん」
ちょっと嬉しかったのは事実で
「え、苗字とかちょっと微妙
瑠璃でいいよ」
これが私と瑠璃のきっかけだった。