「美味しいから大丈夫だよ」

なっちゃんは自分の分も同じように作った。

折角私を元気付けてくれる為に作ったんだから、と私は意を決して一口、口に運んだ。

「あれ、美味しい」

私は思わず言った。

メチャクチャ甘いんだけど、なんか美味しい。

「ちひろちゃん、無理しない方が良いよ。そんなの食べてたら、将来、糖尿病になるよ」

なっちゃんのお姉ちゃんが心配そうに言った。

「お姉ちゃん、不味いもの食べて健康よりも、美味しいもの食べて糖尿病の方が幸せなんだよ」


「まあ、あんた達はまだ若いから」

「でもこれ本当に美味しいです」

私は気付くと二枚、ぺろりと食べていた。

この日から、私はなっちゃんの家に行くと、なっちゃん特製のホットケーキを食べるようになった。甘い物食べてると、なっちゃんの言う通り、心が少し幸せになった気がした。