「でもそれはあなたの言う通りね。私も玲には後々、面倒になるから、ちゃんとする様にって言ったのに。でもちひろさんにしたら良かったでしょ？」

「何が良かったんですか？」

「だって玲と恋人になれるかもって、少しでも夢、見られたんだから。普通の女の子じゃ、絶対に近付けない玲と距離を縮められたんだから。短い間でもシンデレラになれたんだから十分でしょ」

良いわけが無い。こんな気持ちになる位なら、最初から離れてれば良かった。

「じゃあ、秋山君もそんな気持ちで私と付き合ってたんですか？」

「そうでしょ。本気であなたのこと好きなら、途中からでも私のこと話すはずだし。玲も私が居なくて寂しかったから、あなたをからかったのかもしれないわね。暇潰しにはなるでしょうし」