ドサッ。
「み、なと、?」
夏希さんをベッドの上に降ろし、夏希さんの上に馬乗りになった。夏希さんは、眠そうな目で俺を見つめている。その視線にドキッとしながら、夏希さんの右頬に手を添えた。
「ごめんね、夏希さん」
───俺は、夏希さんの唇にそっと、キスを落とした。
初めて触れる夏希さんの唇は、柔らかくて、離したくなくて、愛しさが溢れた。でも、それと同時に罪悪感も同じくらいあって、俺は、夏希さんから離れた。
余程眠かったのだろう。
夏希さんは、スヤスヤ寝息を立てていた。
「、何やってんだろ、俺」
ははっ、と自嘲気味な笑いが俺の口から漏れて、夏希さんの隣にバサッと横になる。
夏希さんは、きっと、今のキスを覚えていない。
その方がいい。
──『湊は、わたしの嫌がることしないでしょ?』
夏希さんに言われた言葉が胸に刺さる。
俺は、夏希さんからの信頼を裏切ったんだ。
最低だ。
俺は、夏希さんを起こさないように、部屋を出た。