「夏希さん、ベッドに行き、っ!!な、夏希さ、ん?」


なぜか、夏希さんは自分の両腕を俺の首にまわし、グッと俺の顔を夏希さんの方へ引き寄せた。夏希さんとの顔の距離はほんの数センチだ。


ゆっくりの目を開けた夏希さんと視線が絡む。
その目は、今にも寝そうで、そして、誘われているのではないかと勘違いする程だ。


早く離れなければ。



「っ、離してください」


「やだ」


「ちょ、」



全く離れるどころか、夏希さんは、さらにグッと力を込め、俺の首元に顔を埋めた。



そして、


「一緒に寝よ」


「っ、くそっ」


「、ふぇ、」




俺の理性がどこで、プツッと切れた音がした。
これは、夏希さんが悪い。


夏希さんにとっては、弟の友達でしかないかもしれないが、俺だって男だ。寝惚けているとは言え、好意を寄せている女から、こんな事されたら、誰だってこうなる。




俺は、夏希さんを抱えて、寝室へと向かった。