「はぁ、」


お風呂から上がりリビングに戻ると、また溜息が出た。ソファの上でタオルケットを被り寝ている夏希さんが目に入ったからだ。



わざわざ、寝室からタオルケットを持ってきているところを見ると、本人の意思でソファに寝ているようだ。




「夏希さん、起きて。ベッドで寝てください」


「んー、」


「こんなところで寝てないでベッドに行ってください」


「んー、やだ」


「やだって、」




夏希さんは、半分眠っているようで、目を閉じたままベッドで寝るのを拒否している。




「湊が、ベッドで寝て、」


「俺はソファでいいんです」


「、やだ」




頑なに拒否する夏希さん。この家には、ベッドが1つしかなく、夏希さんと一緒に住む事になったのも急で布団の準備が出来ていなかったのだ。


そして、夏希さんと一緒に寝るわけにもいかず、俺がソファで寝ているのだが、夏希さんはそれが気に入らないらしい。



一緒に寝ようと提案された事もあったが、俺が夏希さんと一緒に寝て、手を出さないという自信はどこから来るのか教えてほしいくらいだ。



俺は、夏希さんが寝ているソファの横に座り、もう一度夏希さんに声をかけた。