「美味しすぎる!!やっぱり湊天才!!」


「いや、大袈裟すぎですよ」



本当に美味しい。料理のセンスが無いわたしには、到底作れそうにない。




「俺、明日は、バイトで帰りが少し遅いんで、晩御飯作り置きして冷蔵庫入れときます」


「え!いいよ、バイトで遅くなる時は適当に食べるから。湊だって、大学やバイトで疲れてるのに」


「俺が好きでやってるんで、気にしないでください」



嘘のないその顔に、何も言えなくなってしまった。



「わ、分かったけど、無理な時は本当に大丈夫だからね。そうじゃなくても、家に置いてもらって、湊に負担掛けてるのに、これ以上負担掛けるわけにいかないし」


「負担なんて、むしろ、俺の我儘ですよ、」


「え?」


「食べ終わったら、先にお風呂入ってください」




湊の我儘、?
むしろ、わたしの方が我儘だ。そりゃ、この家に来いって言ったのは湊だし、行けって追い出したのは和真だけど、でも、そうなったのは、自分が家探してなかったのが原因なわけで。



本当にちゃんと家探さなきゃ。次の休み、不動産会社に行こう。そんな事を考えながら、湊の作ってくれたハンバーグを食べた。