────


「えっと、カードキー当てて、42階押すんだったよね」


湊のマンションのエレベーターの中。
湊に教えてもらった通りにエレベーターのボタンを押す。



それにしても本当に凄いマンション。




「ただいま〜〜」


靴を脱ぎスリッパに履き替えていると、湊が出迎えてくれた。



「夏希さん、おかえりなさい」


「ただいま。って、いい匂いがする!」


「今日の晩御飯は、ハンバーグです。準備するんで、荷物置いて来てください」




わたしは、自分の部屋に荷物を置き、キッチンへ向かった。テーブルの上には、ハンバーグやサラダ、スープが並んでいて、どれも美味しそうだ。



「本当に、湊って凄いよね」


「普通ですよ」


「その普通が出来ないわたしって、、、」



湊にばかり作ってもらうのは、申し訳ない。
湊だって、大学があって、バイトだってしている。



「いいんですよ。出来る方がすればいいですから」



「食べましょうか」と、湊の言葉に手を合わせ、ハンバーグを口に入れた。