「へぇ。まぁ、いいじゃない。あんなイケメンに好かれて。しかも、お金持ちなんて」
「いやいや、そういう事じゃなくて。湊は、和真の友達だよ?今まで恋愛対象として見た事ないし、」
「女は愛するより愛される方が幸せになれるって言うじゃない?それに、あの日、迎えに来た時の様子を見ると、本気ね」
「……、」
湊が、本気でわたしの事を好きなのは、分かってる。そして、湊の気持ちに応えられないくせに、それに甘えて家にまで置いてもらってる。最低だ。
「はぁ、そんな深く考えなくていいんじゃない?」
「え?」
「3ヶ月前まで彼氏いたわけだし、これから、ゆっくり恋愛していけば。もしかしたら、湊くんだっけ、?好きになるかもしれないでしょ?相手の事ちゃんと知りもしないで、弟の友達だからって否定するのは、真剣に思いを伝えた彼が可哀想」
「っ、」
真奈美に言われた事が胸に刺さった。わたしって、本当に最低だ。和真の友達だからって、湊の事をちゃんと知ろうともせず、湊が、真剣に伝えてくれた気持ちに応えられないって決めつけてた。
「真奈美!ありがとう!!」
「ちょっと!」
わたしは、真奈美に飛びついた。真奈美のおかげで、湊の事をちゃんと知ろうと思えた。
「はいはい、離れて。仕事するわよ」
「はーい」
わたしは、真奈美から離れ、真奈美と部署へと向かった。