「最上階、俺の部屋しかないんで、エレベーター乗ったらここにカードキー当てて、42階のボタン押してください。そうしないと、42階まで行かないんでって、聞いてます?」
「びっくりしすぎて、それどころじゃないんだけど」
「これから、夏希さんの家でもあるんですから、ちゃんと覚えてください。部屋に着いたら、カードキー渡すんで無くさないでくださいね」
「そんなカードキー怖くて持ってられない!!」
こういうところも可愛いのだが、これは、早く慣れてもらわないと、出て行かれる可能性もあるな。
エレベーターが最上階に着き、扉が開いた。
「うわぁ、凄い!!」
エレベーターが開いてすぐ目に入るのは、全面の窓ガラスで、外が一望できる。
「夜になると夜景が綺麗ですよ」
「そうなの!?それは、楽しみ!!」
夏希さんは、子どものように目をキラキラさせ、外を見ている。
本当に可愛い人だ。