車を走らせること1時間弱。
車内では他愛ない話で盛り上がった。



「ねぇ、、、湊の家って、ここ?」


「そうですけど。行きますよ」


「え、待って!湊何者なわけ!?」




地下の駐車場に車を停め、荷物を持って、エントランスへ向かい、オートロックを解除する。



「ねぇ!守衛さんもいるんだけど!っていうか、テレビの中でしか見た事ないんだけど、こんなところ」


「……、」



興奮気味の夏希さんを無視して、タイミング良く開いたエレベーターに乗り込むと、夏希さんも俺の後ろに続いて乗り込んだ。



「これ、何階建てなの?」


「42階です」


「よ、よんじゅう、って、」


「ちなみに、部屋最上階なんで」




夏希さんは、軽く放心状態だ。