「湊もこう言ってるし、決まりだな。姉ちゃん諦めて」
「そんなぁ〜〜」
「夏希さんの会社から近いですよ、俺の家」
「え?」
「ここからだと電車で1時間だけど、俺の家からだと徒歩10分もかからないです」
何その好条件。
確かに、和真の家からわたしの会社までは、遠い。それに比べて、徒歩10分って、朝ゆっくり寝れる!それに、わたしが、住んでいたアパートからよりも近い。
「(あとひと押しか)
俺、料理も出来ますよ」
「(姉ちゃんこれで落ちたな)」
「仕方ないから、湊の家に行く」
恥ずかしながら、料理のセンスが無いのだ。そして、和真も料理が出来ないから、お惣菜だったり、外食だったり、人の手料理が食べたい。
「花より団子だな」
「うるさいよ、和真」