「そこまで私に執着される理由は?」

「あなたと結婚したい。僕は。」

「だから、何で!」

「あなたが、僕の顔しか好きじゃないように、僕はあなたの顔以外全部好きなんです。」

【ブーブー】

久しぶりに警告音が響いた。

「あ、顔…も付いてても問題ありません。」

【ブーブー】

「むしろ、顔がない人間は不気味…」

【ブーブー】

「顔も…えっと…浮かばないな。」

もう、勝手にやっててくれ。

いや、確かに…

顔以外って言った私も酷い。

だけど…何だろう。

!?

「好きなんですか!?私を」

私がそう聞くと

にっこり笑った彼が私の手を取り

私が好きな彼のその部分を…

彼がサービス程度に付いてると思っている、私のその部分に近づけて言った。

「そうですよ。」

「え…」

「僕はあなたが好きです。」

容姿に恵まれるということは…

「お付き合い、頂けますね?」

ずるい。

綺麗な目から逸らすことも叶わず…

ただ…

気づけば私は…

コクンと頷くので精一杯だった。