「コーヒー入れようか?それとももう少し…飲む?」



「コーヒーを下さい!」



まだ、部屋に残るたこ焼きの匂いに、コーヒーの香りが混じる。



彼も私の隣に座ると…

私の手を取った。



見上げる私に、首を傾げて微笑んだ。



顔ー!!

その、顔!!



いや、顔だけじゃなくて、彼は…

とても………







彼の顔が近付く目を閉じた頃に、唇が合わさって、離されてはもう一度重なる。



漸く離されると…



軽いため息、それから目を少しキョロリと動かして

「これ以上は、同じ比重になってからに、する。」



そう言った田中さんに



「ならないかもしれない…でもゼロちゃんはおまけしてくれるって…」



「……オマケ?」



「私…さ、実雅さんより…」

出そうになった涙に言葉を邪魔される。



田中さんが、もう片方の手も繋いでくれて、向かい合う。



「聞くよ、ゆっくりでいい」



「実雅さんの気持ちより……私の方が…大きいので、比重は同じにならなくて…」



「…うん?」

分かってない相槌。



「あなたの事が…同じ比重じゃなくなるくらい……好きです」



この瞬間、彼の綺麗な目は見開かれ…





同時に盛大なプロジェクトマッピング……





「ちょっと、0ちゃん!」



【ごめん、邪魔せんとこー思ってんけど、パーンてなったわ、すまん、パーンて出た】





田中さんはこの賑やかさにも動じず



暫し固まっていた。