「さくらちゃーん、元気してる?」
「あれ、なんか今日冷たくない?」
「てか、髪の毛ハネてる!!」
…面倒くさい。マジで面倒くさい。この世で1番面倒くさい。
あまりにもウザいので、思いっきり机を叩いてやった。
バーン!!机が音をたてて揺れる。
「うわぁ、ビックリしたー。さくらちゃん、もしかして怒ってる?」
「怒ってる、だからさっさと出てけコノヤロウ」
「ひゃー怖い。ま、元気でねさくらちゃん!」
去り際まで見事な面倒くささ。ここまでくるともはやあっぱれだ。
どうしてこんなことになったのか、きっかけはとても些細なことだった。
**********************それは、ほんの数週間前。
私、野々宮さくらは、「空気みたいな存在」を目指し、日々誰からも関わられないように十分気をつけて生活していた。
そんなある日のこと。音楽室から帰る途中、私はとある落とし物を拾った。
それは…なんと0点のテスト。名前を確認すると、それは隣のクラスの男子だった。
「0点はさすがに見逃すわけにはいかないか…。とりあえず今は拾っといて、放課後にでも机の中に入れといてあげよう…。」
しゃがみこんでテストを拾おうとした、その時だった。
「あーっ!僕のテスト、あった!あなた、拾ってくれたんですか!?てか、あなたかわいい顔してるねぇ…。お名前は?ねぇ、あなたのお名前は??」
なんだコイツ。とりあえず、この場を去ろう。
「の、野々宮さくらですっ、さよなら…」
「えーっ、もう行くの!?僕は中村修!しゅーたんって呼んで!!」
誰が呼ぶかバカヤロウ。あんなのと関わったら120%目立つ。危険を感じた私は全力で自分のクラスへと逃げた。のに…
「へーぇ、さくらちゃんはD組なんだぁ、あ、僕C組だからいつでも遊びに来てね♡」
な、なぜここにいる。とりあえず、教室の隅へ避難。
「僕、そんな悪いことした?怖がらないで、こっちへお・い・で♡」
もうクラスの人の視線がこっちに向いているのが分かる。さよなら、平和だった、マイ・スクール・ライフ…
もう耐えられそうにないので、親友の茉依ちゃんに助けを求めた。
「さくらどうした?てか、修くんじゃん、やっほー。」
「あ、茉依ちゃんやっほー、てか、しゅーたんって呼んでって言ってるじゃん!」
「アハハ、ごめんごめんー」
なんで茉依ちゃんがこんな奴と話してるの?許せない。
「茉依ちゃん、コイツと知り合いなの?」
あ、まあ、同中だったからね。てか、もしかしてさくら修くんの子と知らないの?」
「し、知らない!誰?コイツ」
「えー、学年1イケメンって言われてる「修サマ」なのに。やっぱりさくらそういうの疎いよね。」
あ、この人が「修サマ」か。
クラスの女子が騒いでいるのは何回か見たことがあったので、名前だけは知っていた。
確かに、よくよく見るとこの人、かなりのイケメンだ。
サラサラと揺れる黒髪、アーモンド形の瞳、肌の色も透き通るように白い。
思わず、見とれてしまいそうになる。
って、こんなやつに見とれてどうする!とりあえず、コイツをなんとかしなければ!
「ふんぬっ、ぐぁっ、はぁっ…!!」
「何?さくらちゃんどうした??」
「自分から動けないなら、私が押してあげるんで帰ってくださいっ…!」
「ヒドイなぁさくらちゃん、てか、全然押せてないし!かわいー!!」
イラッ…
いいじゃないか、そっちがその気なら応えてやろう。
「スゥゥゥゥ…」
「え、どうしたさくらちゃん?」
行け、さくら!!己の力を振り絞って!!
「嫌だっつってんたよバーカ!!さっさと帰れよクソガキめ!」
言った。言ってやった。お帰り、マイ・スクール・ライフよ。
「…すごいねさくらちゃん。ますます君の隣にいたくなっちゃうよ。」
なんだコイツ。本気でぶっとばしたくなってきた。
「だーかーらー、帰れっつってんだろー!!」
…というわけで、しばらく平和なマイ・スクール・ライフとはさよならみたいです。
「あれ、なんか今日冷たくない?」
「てか、髪の毛ハネてる!!」
…面倒くさい。マジで面倒くさい。この世で1番面倒くさい。
あまりにもウザいので、思いっきり机を叩いてやった。
バーン!!机が音をたてて揺れる。
「うわぁ、ビックリしたー。さくらちゃん、もしかして怒ってる?」
「怒ってる、だからさっさと出てけコノヤロウ」
「ひゃー怖い。ま、元気でねさくらちゃん!」
去り際まで見事な面倒くささ。ここまでくるともはやあっぱれだ。
どうしてこんなことになったのか、きっかけはとても些細なことだった。
**********************それは、ほんの数週間前。
私、野々宮さくらは、「空気みたいな存在」を目指し、日々誰からも関わられないように十分気をつけて生活していた。
そんなある日のこと。音楽室から帰る途中、私はとある落とし物を拾った。
それは…なんと0点のテスト。名前を確認すると、それは隣のクラスの男子だった。
「0点はさすがに見逃すわけにはいかないか…。とりあえず今は拾っといて、放課後にでも机の中に入れといてあげよう…。」
しゃがみこんでテストを拾おうとした、その時だった。
「あーっ!僕のテスト、あった!あなた、拾ってくれたんですか!?てか、あなたかわいい顔してるねぇ…。お名前は?ねぇ、あなたのお名前は??」
なんだコイツ。とりあえず、この場を去ろう。
「の、野々宮さくらですっ、さよなら…」
「えーっ、もう行くの!?僕は中村修!しゅーたんって呼んで!!」
誰が呼ぶかバカヤロウ。あんなのと関わったら120%目立つ。危険を感じた私は全力で自分のクラスへと逃げた。のに…
「へーぇ、さくらちゃんはD組なんだぁ、あ、僕C組だからいつでも遊びに来てね♡」
な、なぜここにいる。とりあえず、教室の隅へ避難。
「僕、そんな悪いことした?怖がらないで、こっちへお・い・で♡」
もうクラスの人の視線がこっちに向いているのが分かる。さよなら、平和だった、マイ・スクール・ライフ…
もう耐えられそうにないので、親友の茉依ちゃんに助けを求めた。
「さくらどうした?てか、修くんじゃん、やっほー。」
「あ、茉依ちゃんやっほー、てか、しゅーたんって呼んでって言ってるじゃん!」
「アハハ、ごめんごめんー」
なんで茉依ちゃんがこんな奴と話してるの?許せない。
「茉依ちゃん、コイツと知り合いなの?」
あ、まあ、同中だったからね。てか、もしかしてさくら修くんの子と知らないの?」
「し、知らない!誰?コイツ」
「えー、学年1イケメンって言われてる「修サマ」なのに。やっぱりさくらそういうの疎いよね。」
あ、この人が「修サマ」か。
クラスの女子が騒いでいるのは何回か見たことがあったので、名前だけは知っていた。
確かに、よくよく見るとこの人、かなりのイケメンだ。
サラサラと揺れる黒髪、アーモンド形の瞳、肌の色も透き通るように白い。
思わず、見とれてしまいそうになる。
って、こんなやつに見とれてどうする!とりあえず、コイツをなんとかしなければ!
「ふんぬっ、ぐぁっ、はぁっ…!!」
「何?さくらちゃんどうした??」
「自分から動けないなら、私が押してあげるんで帰ってくださいっ…!」
「ヒドイなぁさくらちゃん、てか、全然押せてないし!かわいー!!」
イラッ…
いいじゃないか、そっちがその気なら応えてやろう。
「スゥゥゥゥ…」
「え、どうしたさくらちゃん?」
行け、さくら!!己の力を振り絞って!!
「嫌だっつってんたよバーカ!!さっさと帰れよクソガキめ!」
言った。言ってやった。お帰り、マイ・スクール・ライフよ。
「…すごいねさくらちゃん。ますます君の隣にいたくなっちゃうよ。」
なんだコイツ。本気でぶっとばしたくなってきた。
「だーかーらー、帰れっつってんだろー!!」
…というわけで、しばらく平和なマイ・スクール・ライフとはさよならみたいです。