そんな感じでしばらくしたときのこと。
チリンチリン…
「いらっしゃいませ~何名様でしょうか?」
普通にお客が来ただけなんだけど、なんか気になって入口の方に目をやった俺は…世界が止まってしまったように見えた。
「二人です」
「どうぞ、こちらのお席へ」
だ、だって。
だって、ゆ、結ちゃんがいるんだよ!
しかもしかも…
なんかイケメンの男付きで!!!!!
「おい、優弥。あいつ…」
晴斗も気づいたっぽい。
幸い俺たちとの席は離れてたけど、ばっちり見やすい位置に座ってる。
てか、結ちゃん今更だけど彼氏持ちだったんだね…そりゃそうだよね。
かわいいもん、結ちゃんは。
ふんわりした空気とか、ニコッて笑った時に結ちゃんから、わけのわからないビームみたいなん発射されるし。
イケメンの彼氏いるし、俺の恋ってますます終わりました…ってことだよね?
「…なぁ、彼氏もちっぽいけど。お前、知らなかったわけ?」
ええ、ええ、知りません、知りませんでしたよ、色々調べてたのに。
俺の絶望的な顔にどうしたらいいかと困り顔の晴斗。
申し訳ないが俺はどうしようもないほど今、泣きたいです。
こういう時に「しぬーーー」とか叫びたくなるんだろうね、死なないけど。
なんでこんなに残酷なんだよ。
俺はこの世の終わりすぎて、その後の記憶が曖昧になってしまった。