俺は、たまたま川の近くを歩いていた。

ふと、芝生の方に目を向けると、シルバーの髪をした女の子が寝転がっていた。

なんとなく気になって、女の子に近づいてみる。

近くで見ると、シルバーの髪に、ブルーのインナーカラーを入れているロングの髪はとても綺麗だった。

よくこんな色に染めてるのに、痛まないんだな~。

俺はますます気になって、寝ているのもお構い無しに声をかけた。

『何してんの?』

何してんのって寝てるのは見たら分かるんだけど。

それ以外声をかける言葉が見つからなかった。

女の子は閉じていた目をゆっくり開けて顔をこちらに向けた。

うわあ。

一言で言うとめちゃくちゃ綺麗。

体中に衝撃が走ったかのように身動きが取れなくなった。

雪のように白い透明感のある肌。

少しピンクに染まった頬。

くっきり二重の大きな目。

少しグレーのような色をした色素の薄い目。

高くて小さな鼻。

薄ピンク色をした形のいい唇。

透明感溢れる女の子にシルバーの髪はとっても似合っている。

全てのパーツが整いすぎている。

そこには絵に描いたような美少女が俺を見つめていた。

俺は今まで会った女性の中で1番美人だと思った。

でも、なんとなく幼さが顔に残っているから、大学生くらいかな?

女の子は口を開いた。

『別に何もしてないよ。空見てて、眠くなったから、寝ようとしただけ。』

女の子から発された声はとても冷たかった。

そして、俺を見る目もだんだん冷たくなっていることに気がついた。

少し前の俺と同じ目をしている。

この子は過去にきっと傷ついたんだって。

それをまだ引きづってるんだって。

ただ気になって、いろいろ質問してみた。

雫井花彩って言う名前で、年齢は16歳。

泉ヶ丘高校に通ってるってことも分かった。

俺は運命だと思った。

まさか、たまたま声をかけた女の子が4月から自分が勤務する高校の生徒だったなんて。

にしても、大学生くらいだと思ってた子が16歳だったなんて。

このシルバーの髪春休みだから染めたのかな?

なかなか派手にしたね。

長期休みでも染髪は禁止の筈なのに。

校則破るってなかなかヤンキーなんだね。

聞いてみたら、1年前からこの髪色だって言う。

しかもこの髪で高校に行ってたって。

そして驚くことに学年トップだから怒られないとか。

なかなかな特別扱いを受けているらしい。

そして俺は花彩の左手の薬指にはめられている指輪が気になった。

結婚指輪っぽい。

若干ショックを受けている自分がいた。

結婚はしてないにしても、こんなに美人なんだもん。

彼氏の1人や2人くらいいるよな。