「俺に隠しごとってひどいね」
「別に、隠しごとぐらい誰でも…」
「鈴華」
「……っ」
ダメだ。
本当にダメ。
いつもは優しく穏やかな優翔がたまに強引になる時がある。
まさに今がその時で。
本当にこれには抗えない。
限界が訪れ、俯いてもすぐ顎を持ち上げられ。
さらに恥ずかしい格好へと変わる。
「たまには素直になろうか、鈴華」
こうやって、私の本音を聞き出そうとするんだ。
その笑みは優しそうに見えて、全然優しくない。
裏のある笑顔。
私の反応を楽しんでいるように見える。
「……っ、昼休みに、優翔にきつく当たっちゃったから……反省しないといけないなって思って…」
「うん、そっか。
確かに最近の鈴華はひどいからね」
よしよし、とあやすように頭を撫でてくる優翔。