「暑苦しいから離れて」
「俺を放っていった鈴華が悪いんだよ」
そんなこと言われたら信じてしまいそうになる。
勘違いしてしまいそうになる。
「ねぇ、今日はずっと一緒にいようね」
「いつもいるでしょ?」
同じ家に住んでいるのだから、嫌でも顔を合わせる状況下にあるのだ。
もちろん私は嫌ではないけれど。
「一緒の部屋で勉強しよう」
「絶対に嫌!だって優翔、真面目にしないでしょ?」
私に構ってアピールばかりしてきて、まったく勉強が進まないのだ。
「鈴華がかわいくて邪魔したくなるんだよなぁ」
「何それ、最低。人が真面目に勉強してるのに…」
そこまで言って口を閉じる私。
今日の昼休み、優翔にきつく当たってしまい後悔したばかりだというのに。
もう言い返している自分がいた。