さらに山城先輩は本当に運ばれてきたフロートジュースを渡してきて。
「あっ、美味しい…」
諦めて一口もらうと、すごく美味しくて思わず目を見張ってしまった。
「だろ?だからおススメ。
それ飲み終わったら頼むべき」
「そ、そんな飲めませんよ…」
「もったいねぇな。今日は晴の奢りなのに」
『待て待て!そんなの聞いてないぞ!?』
さらっと嘘をつく山城先輩に、すぐさま反応した槇原先輩はマイク越しに否定してきた。
その声が意外と大きく、キーンという嫌な音が鳴ってしまい山城先輩は顔を歪める。
「うるっせぇ…」
迷惑そうな顔をするけれど、元はと言えば山城先輩が悪いのである。
いわば自業自得だ。
「峻輝、真顔で冗談言うからわかんないんだよ」
「結構本気だったけど。
まあいいや、雪夜の分は俺払う」
「えっ、なんでですか」
そこまで気を遣う必要はないというのに。