「あー、でも神田みたいな温厚そうな人ほど嫉妬したらやばそうだね」

「みっちゃん、さっきから何言ってるの?」


ひとりで話を進め、楽しそうに笑っている。
そんな彼女の意図が読めない。


「嫉妬させたら鈴華の身に危険が及びそう」
「えっ?誰のこと言ってるの」


「さぁね、そのうちわかるんじゃない?それより今日は楽しむわよ!カラオケに決まったから!」

「う、うん……?」


なんだか無理矢理話を変えられた気もするが、これ以上聞き出せないだろうと思い、諦めて頷く。


「あー、無気力王子が来てくれないかなぁ」
「……まだ言ってる」

無気力王子と言われても、私はその人を知らないため想像すらできないと思っていたけれど───


先ほどまで一緒にいた先輩が、パッと頭に浮かんだ。