「大丈夫です、わかってますよ」


このようなギャップのある先輩に対して、失礼かもしれないけれど思わず笑ってしまう。


「……優しいな」

すると先輩は目を細めて笑い。
その笑みが穏やかそうに見えた。


優翔とはまた違った優しさのある笑顔に思える。



「あまりお腹も空いていなかったので」

変に残してしまうより、こうやって喜んで食べてもらえるほうがずっといい。


それからは特に長居することもなく、お互いが食べ終わり次第立ち上がり。


「今日はありがとうな」

帰り際も先輩はお礼を言って、その場を去っていった。


私も少し経ってから教室に戻ることにしたけれど。
購買に行く前の優翔との会話が思い出されて。

先輩といたことで少しは気が楽になったとはいえ、優翔に強く当たってしまった事実は変わらない。



今回も明らかに私が悪いのだ。
意地になってしまった私が。

優翔の前になるとどうして素直になれないのだ、と反省する。