「……知らなかったのか」
「初耳です」
「普通に周りも注目してると思うけどな」
「視線なんてそんな…」
気にしたこともなかった。
優翔は他のクラスの女子や男子からも注目され、話しかけられているけれど。
私はそんな経験などない。
「気が強いって聞いてたけど案外そうでもねぇらしいな」
「き、気が強いって私がですか?」
気が強いって思われてたらある意味恐れられているんじゃないかと不安になる。
「ああ。男嫌いで、いつも男には威嚇してるって」
「い、威嚇!?」
慌てて首を横に振る。
なんという誤解だ。
あり得るとしたら優翔にきつく当たってしまうことぐらいである。
それだけでこのような誤解が広まるというのか。
「ふっ、だろうな」
そんな私の反応を見て彼が笑う。
その笑顔には余裕があり、不覚にもドキッとしてしまった。