やっぱり偏見は良くないなと思わされる。
彼は一度立ち上がったかと思うと、またベンチの上に座り。
どうやらここで食べるようだ。
「あんたも食わねぇの?」
だからそんなキラキラした目で見つめないでほしい。
心臓に悪いから。
さらには自分の隣を手でポンポンし、座らざるを得ない状況になってしまう。
けれど教室に戻る気分ではなかったため、今日はここで食べることにした。
「じゃあ、失礼します…」
「ああ」
本人は女の私と食べることに、なんとも思っていないようで。
こんな整った容姿をしているのだ、誤解されたら面倒だとか思わないのだろうか。
「いただきます」
そう言ってカレーパンを口へと運ぶ彼。
美味しいのだろう、顔を綻ばせていた。
それほどお腹も空いていたのだろうか。