3つ年上の龍くんとは兄の部屋に遊びに来たときに私がお茶を出して知り合い、それから兄の目を盗んで連絡先を交換し2人で会うようになった。

龍くんは真っ黒で柔らかな短髪で196cm。

バスケをするために筋トレは欠かさないからとても筋肉質。

どんな人と話していてもニコニコとしているが実は人見知りするタチだとか、自分が大きいから背が小さい特に女の子にはビクビクしてしまうだとか、他の人は知らないことも私には教えてくれた。

ハッキリとした言葉を貰っていないのだが、恋人たちが過ごすであろうクリスマスやバレンタイン、互いの誕生日は毎年一緒に過ごしてきた。

そして3年前のあの日も龍くんは私にこう言った。

「瑠奈、お前はしっかり大学を卒業しろ。だから今は連れていかない。分かるな?」

そう言ってきつく抱き締めてくれたのだ。

だから今は連れていかない。

あの時はまだ私も子供だった。

まだ大学に入ったばかりで何もかもが楽しかった時期だ。

そんな楽しい時間を捨てて新天地で頑張る彼を支えるとは考えもしなかった。

大学を卒業したら彼が迎えに来てくれると信じていた。