「んじゃ行くわ
またな」

「うん。ありがとう
つづりお願いね」



店先でひなに別れの挨拶を済ませ
私を背中におぶったまま秋鳴は歩きだす


「…」

「…で?今度はなにがあったんだよ」

歩きながら聞いてくる秋鳴






「…フラれた」

「あー…そろそろだと思った」

「ひどい!」

「前回が彼氏の浮気、前々回が彼氏の元カノ絡み」

「うっ…!」


前回のみならず
前々回の酔い潰れた時の私の状況も
しっかり記憶している秋鳴

その秋鳴の言葉がぐさりとささる


「結局、元カノと復縁したんだろ?
逆に良かったじゃん
未練たらたらの男と付き合うより」

「……私は好きだったの
冬馬(とうま)の事」



好きだったから
元カノを忘れきれてないって知ってて冬馬と付き合った

浮気されてるって気づいても

私に気持ちが傾く事を期待して
気付かない振りをした


好きになってもらえるように
見た目も中身も一生懸命磨いた

けど

結局私は冬馬に選ばれなかった



どれだけ頑張っても元カノには敵わなかった



「…」