「…だからよ。
来るなら連絡よこせって」

いつかのように
玄関先で膝を抱えて待っていた私を見て
秋鳴がため息をつく

「ん」

そんな秋鳴に私は座ったまま両手を差し出す

「あ?」

「起こして」

「…なんだってんだよ。ったく」


傍へやってきた秋鳴が
めんどくさそうに私の両手をつかんで立ち上がらせる

その瞬間
秋鳴の視線が私の左手首に向けられたのを
私は見逃さなかった


「似合う?」

「…」

「かわいい?」

「…なに、にやついてんだよ」



喜びを隠しきれない私を見て
珍しく秋鳴が照れてる

ぎゅっと抱きつくと、息を飲む気配