「…命令口調」

「文句あんのかよ?」

「……全然好かれてる感じしない」

「…」


…なんだろう

一応告白して
向こうからも告白されてる状況なのに

このグダグダ感

ときめきもなにもない







「それでも、好きなんだろ
俺の事」

「っ、…好き、だけど」


立ち上がった秋鳴が近づいてくる
思わず私も立ちあがり


…何故か距離を取る



「なんで逃げてんだ」

「…なんとなく」


じりじりと距離を詰めてくる秋鳴

とん、と壁際に追い詰められる


「…諦めてやるつもりだったのに
不意討ち食らわせたのそっちだからな」

「諦めてって…」




『惚れてるやつは別なやつに惚れてた』


『幸せならそれでいいって思ってたし』





いつか聞いたその言葉を思い出す


あれはつまり私の事で…


『幸せなら』


…。


………そっか


そうか

秋鳴はずっと
私の幸せを願っててくれたんだね