…気付いてしまったことがあったから


「…どきどきするの」

「あ?」

「最近秋鳴といると」

「…はあ?」



前まではなんとも思わなかったのに


あの日の帰り道から
ずっと


事あるごとに
秋鳴の言動にどきどきして


落ち着かなくなるのに
それでも一緒にいたいって思って


他愛ない会話が嬉しくて


自分のために悩んでくれたり
怒ってくれたりする姿に

胸があったかくなった


でも、少し苦しくもなって



その感情には覚えがあって
でもそんなわけないってずっと否定してて


けど


「冬馬と話して私もはっきり分かったの
…秋鳴が、好きだって」


好きだって言われて

私が好きなのは誰なのかって考えた時

真っ先に浮かんだの

秋鳴の顔が

その声と表情が