おもむろに伸びてきた手

ぽんっと頭を撫でられ、目を丸くする

「…」

立ち止まり秋鳴を見上げる

秋鳴は何も言わず、ただ頭を撫で続けてる

私はただただされるがまま







「…秋鳴」

「ん」

「………これ、結構照れるんだけど」

「そうかよ」


呆然としてたけど、ようやく思考が追いつき
じわじわと気恥ずかしさが湧きあがってくる


「な、なんで急に…っ」

「道端で泣かれたら困る」

「も、もう泣かないもん」

「お前でも照れるんだな」

「…私をなんだと思ってるの」

「きゃんきゃんうるせー犬」

「犬ってなに!?」


軽口を言い合いながら再び歩き出す


「…」


……なんでだろう

頭を撫でられただけなのに

なんでかとっても恥ずかしくて

急に秋鳴が違う人に見えて




……どきどきした