「ふーん」

「好みもあるけど
まあ秋鳴が一生懸命選んでくれたものなら
あげる人も喜ぶと思うよ」


♪~♪


話の途中で
軽快な音楽が鳴り響く


音の発信源は私のカバンだ


中からスマホを取りだし
相手を確認する


「ひなからだ
ごめん、秋鳴ちょっと出てくる」

「ああ」


秋鳴に一言いれて
わたわたと店の外に出て電話にでる


「もしもし?」

『あ、つづり?今、大丈夫?』

「大丈夫」

『あのね、この前のレポートの事で聞きたいことあってー…』







「ごめん、秋鳴
遅くなった
…ってあれ?」


思いがけず長電話になってしまい
慌てて店に戻る


秋鳴はすでにお会計を済ませていた
小さめの、けどやたら高そうな見た目の紙袋を手にしてる


「買ったんだね」

「ああ」

「結局、どういうやつにしたの?」

「秘密」

「ええ~?なんで?」

「ほら、行くぞ
一応付き合わせたからな
なんかおごってやる」

「え!やった~っ」


羽振りのいい秋鳴に
はしゃぐ私





…ん?なんか
うまくはぐらかされた気がする

…まあいっか!

おごってくれるって言うし