ショッピングモールの入口で秋鳴を待つ

『明日、出掛けるぞ』


そんなメールが届いたのは昨日のこと

この間、私があんな風に泣いてしまったから
きっと秋鳴は気を遣って
外に連れ出そうとしたんだと思う



入口のベンチでぶらぶら足を揺らしながら秋鳴を待つ


「子供みてーなことしてんな」

「秋鳴。おはよ」

「おー」


頭上から降ってきた声に顔をあげる

少し眠そうな顔の秋鳴が立っている



「今日は何するの?」

「買い物付き合え」

「買い物?てっきり映画とか見るんだと思ってた」

「見てーのあんなら見てやる」

「いや、ないからいいけど」