「…」


不意に秋鳴がじっと私を見下ろす


「何?」

「今度は何があった?」

「…え?」


見透かしたような目
真顔で聞いてくる秋鳴に内心どきっとする


…普通にしてるつもりだったんだけど
そんなに私、分かりやすいかな…






黙って私が言葉を返すのを待つ秋鳴


言うつもりはなかったけど
気づいたらぽつりと言葉をこぼしていた


「……ひなの家から帰るときに
冬馬と偶然会って…」



「…別に特別何かあった訳じゃなくて
軽く挨拶しただけなんだけど…
なんかね…」


別れてからまともに顔を合わせたのは
その時が初めてだった

同じ大学ではあるけど
会わないように気を遣っていたから

…それは多分向こうも